カジノには「香りマーケティング」が効果抜群

五感がすべて同時に働く時に、人は最も敏感になります。あるブランドによってより多くの感覚が同時に呼び覚まされるほど、そのブランドに関心を示す人は多くなります。

カジノにおける「香りマーケティング」とは、嗅覚を刺激することによってプレイヤーのゲーム経験を高め、ゲストに感動や興奮をもたらす手法のことです。

香りマーケティングは、企業と顧客との関わり方を変えました。カジノには、宣伝広告に香りを利用するカジノならではのチャンスがあります。

もともとエキサイティングな雰囲気を持つカジノでは、香りマーケティングというアプローチが一段と大きなインパクトを与えることができます。カジノは、香りを利用することによって、ゲストの喜びを感じる脳の中枢を刺激し、顧客と深い本能的なレベルで結びつくことができるのです。

 

香りと記憶は、密接に結びついています。また、香りと結びついている記憶は、そうでない記憶よりも高い持続性があります。カジノの香りマーケティングとは、顧客が去った後でもカジノのことを長く顧客の記憶にとどめさせる効果もあるアプローチなのです。

香りの持つ力のおかげで、プレイヤーはゲーム中の楽しい記憶のみならず、どのカジノで嬉しい思いをしたかを思い出すことができます。

多くのカジノが、香りを利用して、プレイヤーに自社ブランドゲームの記憶を家へ持ち帰ってもらおうと考えています。そのため、カジノが宣伝広告のために魅惑的な香りを利用し、ゲストがその香りにまんまと惹きつけられる、ということがよくあるのです。

カジノは米ScentAir社の ScentStickのような製品を利用して、自社のトレードマークとなっている香りのパッケージを顧客へ販売することもあります。これはカジノに売り上げがもたらされるだけでなく、強力なブランディングツールとなるのです。

 顧客がブランドの香りを家に持ち帰ると、それによってそのカジノのことをいつまでも覚えているようになります。ブランド化された香りによって、ゲストはそのカジノで大変良い思いをした時のことをまざまざと思い出します。その香りがカジノの入り口で漂っていたからです。

そこで、米ネバダ州にある「マンダレイ・ベイ・リゾート・アンド・カジノ」では、当然ながら次なるステップとして、香りマーケティング戦略を自社のビジネスプランに取り入れることにしました。

同カジノでは、イメージアップのためにそれまで投資してきたカジノスペース全体に、香りマーケティングを導入。みずみずしい草木、水の流れ、独特のインテリアによって、マンダレイ・ベイ・カジノは”熱帯のパラダイス”と化しました。

同カジノは、ScentAir 社と業務提携し、どっぷりと浸りきる感覚的経験を体現させました。まず、ココナッツスパイスの香りが135,000平方フィートものカジノエリア全体に使用されました。このフレッシュな南国の香りによって、カジノの雰囲気が完璧に仕上がり、マンダレイ・ベイのみずみずしい熱帯林に新たなテイストが加わりました。

一方、香りの科学は、競技トラック、ビンゴホール、ビデオゲーム施設といった場所でも効果を発揮します。宝くじの当選決定が行われる場所なども同じです。

ゲーム業界の特定の部門だけを含むアーケードなどでも、香りマーケティングは有効かもしれません。プレイヤーの興奮の高まりやアドレナリンの発散と相まって、香りマーケティングが一段とその場にいるゲストに積極的なゲーム参加を促すことでしょう。

私たちはその後、マンダレイ・ベイにおけるScentAir 社システムの効果がどの程度あがったか、について調べてみたところ、同カジノは香りマーケティングが成功していることに大満足しているとのことでした。

同カジノ総支配人によると、香りマーケティングによって、カジノゲストの体験に新たな付加価値をプラスできたということです。カジノに漂う熱帯天国のような香りは、ゲストや従業員達から大変良い評価を受けた、とのことです。